インテリア
観葉植物を取り入れたインテリアデザインのポイント
インテリアを考え始めると、水回りの仕様や床の色、扉の色、照明の雰囲気や家具等検討することがたくさんでてきます。そのなかでも押さえておきたいのが観葉植物です。
近年、インテリアデザインの世界では自然の要素を取り入れることがトレンドになっています。植物を取り入れたインテリアデザインは、見た目の美しさだけでなく、心身の健康にも良い影響をもたらすとされています。このコラムでは、植物を使ったインテリアデザインの魅力と、自宅をグリーンで満たすためのヒントをご紹介します。
植物があるメリットとは?育てる自信がない…どんな植物がインテリアにはいいのだろう?といった疑問、不安にこたえるべくコラムを書きましたのでぜひご覧ください!
目次
植物がもたらすインテリアへの利点
植物を活用したデザインの基本
人気の植物インテリアスタイル
植物の選び方とケア
まとめ
植物がもたらすインテリアへの利点 |
植物は空気を浄化し、湿度を調節する効果があります。また、視覚的に心落ち着かせる効果があることも科学的に証明されています。植物をインテリアとして取り入れることで、部屋がより居心地の良い空間へと変わります。
植物を活用したデザインの基本 |
1.色の選び方
植物の緑は多くの色と調和しやすいですが、部屋の色彩とのバランスを考えることが大切です。例えば、白やベージュなどの明るい色の部屋には、濃い緑の植物がアクセントになります。
2.形とサイズのバランス
部屋のサイズや家具の配置に合わせて、植物の形やサイズを選びましょう。例えば、高い天井の部屋では、大きな観葉植物が空間を引き締めます。
3.配置の工夫
植物を置く位置は、光の量や湿度、植物の種類によって変わります。直射日光が苦手な植物や、湿度を好む植物の特性を理解し、最適な場所を選びましょう。
人気の植物インテリアスタイル |
1.ミニマリストスタイル
シンプルながらも生命感を感じられる植物を一つだけ置くことで、洗練された空間を演出します。ミニマリストスタイルに適した植物は、形が整っており、シンプルな美しさを持つものです。
サンスベリアやモンステラ、フィカス・ベンジャミンなど、スタイリッシュな見た目の植物が選ばれます。これらの植物は、それ自体が一つのアート作品のように部屋に映え、空間に洗練された雰囲気をもたらします。
2.ジャングルスタイル
部屋の中に多種多様な植物を置き、ジャングルのような豊かな緑を楽しむスタイルです。活気あふれる空間が特徴です。ジャングルスタイルでは、様々な種類やサイズの植物を組み合わせることが重要です。大きな葉を持つトロピカルな植物、如何にもジャングルを思わせるパキラやフィロデンドロン、そしてツル性の植物や小さなサイズの植物まで、多様性に富んだ選択が求められます。これにより、視覚的な奥行きとダイナミックな雰囲気を空間にもたらします。
3.ボタニカルスタイル
ボタニカルプリントのファブリックや壁紙と植物を組み合わせることで、自然と調和した空間を作り出します。ボタニカルスタイルでは、室内の環境に合った植物を選ぶことが大切です。日光が豊富な場所では、サボテンや多肉植物が適していますし、湿度が高い場所では、フィットニアやカラジウムなどが良いでしょう。また、季節ごとに植物を変えることで、インテリアに変化を加えることも可能です。
植物の選び方とケア |
1.初心者におすすめの植物
水やりや日光の管理が比較的簡単なサンスベリアやザミオクルカスなどは、初心者にも育てやすい植物としておすすめです。これらはあまり手間をかけずとも成長するため、植物のケアに自信がない人にぴったりです。以下に2つの植物の特徴をお伝えいたします。
〇サンスベリア
サンスベリア(学名:Sansevieria)、または別名「虎の尾」とも呼ばれる植物は、その独特な見た目と手入れのしやすさから、多くの人に愛されている観葉植物です。
〈見た目の特徴〉
・形状:サンスベリアは、直立する剣形の葉を持ち、葉の色は濃い緑から薄い緑、時には黄色や白の縞模様が入るものもあります。
・サイズ:種類によっては、小さなものから、床に置いた時に人の背丈ほどにも成長する大きなものまで多様です。
〈手入れのしやすさ〉
・耐久性:乾燥に非常に強く、水やりの頻度を間違えても容易に枯れることはありません。低光量の環境でも成長することができるため、室内での管理が非常に楽です。
・手入れ:土の表面が乾いたら水をやる程度で良く、過湿を避けるために水やりは控えめにします。また、直射日光は避けた方が良いですが、一部日光を好む種もあります。
〈空気清浄効果〉
NASAの研究によると、サンスベリアは室内の有害物質を吸収し、空気を浄化する効果があるとされています。特に、ベンゼン、トリクロロエチレン、ホルムアルデヒドなどを吸収し、酸素を放出する能力があると報告されています。
〈その他の特徴〉
・繁殖:葉挿しや株分けによって容易に増やすことができます。非常に丈夫で、手入れがしやすいため、観葉植物初心者にもおすすめです。
・風水:風水では、サンスベリアは邪気を払い、運気を高める効果があるとも言われています。
〇ザミオクルカス
ザミオクルカス(学名:Zamioculcas zamiifolia)、一般にZZプラントとも呼ばれるこの植物は、そのユニークな外見と、手入れの容易さで知られています。
〈見た目の特徴〉
・形状:ザミオクルカスは、光沢のある濃緑色の葉を持ち、その葉は茎の両側に対称的に配置されています。非常にモダンでスタイリッシュな外観をしており、インテリアとしても人気があります。
・サイズ:成長すると、高さは60cmから1m程度にもなり得ますが、成長速度は比較的遅いです。
〈手入れのしやすさ〉
・耐久性:ザミオクルカスは乾燥に非常に強く、水やりを忘れがちな人にも適しています。また、低光量の環境にも適応するため、室内での管理が容易です。
・手入れ:土の表面が完全に乾いてから水をやるのが基本で、過湿は根腐れの原因となるので避ける必要があります。直射日光は避けますが、明るい間接光の下でよく成長します。
〈空気清浄効果〉
ザミオクルカスは空気中の有害物質を吸収し、室内の空気を改善する効果があるとされています。ただし、この効果に関しては、植物全般に言われる特性の一つであり、具体的な効果の大きさは環境によって異なります。
〈その他の特徴〉
・繁殖:部分的に茎を切って植えることで、比較的容易に増やすことができます。また、球根状の根(塊茎)を分けて植え替えることでも繁殖させることが可能です。
・注意点:ザミオクルカスの葉や茎は有毒であり、摂取すると嘔吐や下痢などを引き起こす可能性があります。特に小さな子どもやペットがいる家庭では注意が必要です。
まとめ |
この記事では、植物をインテリアとして取り入れることの魅力と基本的な方法に焦点を当てたました。読者の方が植物の選び方からケアの方法まで、自宅での植物の楽しみ方を理解し、実践できるようになることを目指しています。植物に囲まれた生活は、豊かさと癒しをもたらし、毎日をより特別なものにしてくれるでしょう。
植物をインテリアに取り入れることで、部屋の雰囲気はもちろん、私たちの心身にもポジティブな影響を与えてくれます。自分のライフスタイルや好みに合った植物を選び、自宅に自然のエッセンスを取り入れてみてはいかがでしょうか。植物と共に過ごす時間は、より豊かで心地よいものになるはずです。私も観葉植物を部屋に置いていますが、この記事の執筆を通してより観葉植物への関心が高まりました。
このコラムを通して、植物を取り入れたインテリアデザインの基本から、実際に自宅で植物を楽しむためのヒントまで、お伝えできていればなと思っております。植物と共に、より快適で美しい生活空間を実現しましょう。
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長岡 紗夕望
2級建築士。インテリアコーディネーター。ライティングコーディネーター。窓装飾プランナー。整理収納アドバイザー。
IC課所属。住宅における空間デザインや照明、造作家具の設計等、内装デザインの提案を行う。
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